結局あの後ヤられてしまい、その後も時折、その先輩に部室に呼び出されたりする事になってしまった慎吾。

一方、クラスが一緒になった和己とは徐々に言い友人、良いチームメイトとして過ごしていて、純粋に野球に燃えている和己に好感を抱く慎吾。
大らかな笑顔にちょっと和んだり救われたりしている内に、段々意識してしまう事に。
(コッチもいけんだろ?とか言われて、ざけんなって思ったけど、ホントにソッチの才能あったのかもな…)と、自嘲気味に思う慎吾。
(でもこんな気持ち知られちまったら、そんで和己がオレから離れてったら…。ダメだ。ゼッテー知られちゃダメだ)と心に誓う慎吾。

そして和己の方はといえば、普段は明るくてのらりくらりとしている癖に、時折沈んだような表情を見せる慎吾が少し気にかかっていたり。
また、昼休みに時折いなくなる事も少し不審に感じていて、ある日、後を付けてみる事に。
すると、3年の先輩に押さえつけられている現場を窓の隙間から見てしまい。
「お前さ、ホント河合と仲良いよな。実は好きなんじゃねーの?」なんて言う先輩に「何、言ってんすか?」と返す慎吾。
衝撃のあまり固まっていたものの、部室のドアをガンガンと叩き、「何やってんスか!!」と怒鳴る和己。
3年の先輩は「クッソ」と言い、鍵を開けてその場から逃走。
慎吾は呆然。和己に知られてしまったショックから抜け出せず身動きが取れず。
和己も何と声をかけていいか分からず暫し固まるが、「慎吾…大丈夫か?」と声をかける。
ハッとして「大した事ねー、し」と、必死に取り繕う慎吾。
そんなわけないだろうと思いつつも、変に気遣うことも出来ず、ただ心配する事しか出来ない和己。

結局その後は、先輩に呼び出されることも無く、徐々に沈んだ表情をすることも無くなっていった慎吾。
しかし和己は何だか安心できず、時折慎吾の様子を伺ったり気を使ったりするように。
さり気なく気を使ってくれたり、優しくしてくれる和己に益々惹かれて行く慎吾。
和己の方は、慎吾の様子を気にかけていくうちに、いつしか視界に入れてないと安心できない、視界に入れていたいと思うように。
しかし慎吾は和己への思いを断ち切るように、色々な女の子と付き合い始めたり。
その様子を見ていて心が痛むことに気付き、慎吾のことが好きなのだと自覚する和己。が、自覚と同時に失恋した自分に苦笑するしかなく。
(大体、アイツはあんな目にあってるってのに、身近にいるオレがこんな気持ち抱いていると知ったら、それこそ人間不信に陥るかもしれない)そう思い、自分の思いを封じ込めることに。

そうしてお互いに気持ちを言う事などないまま時が過ぎて行き、早すぎる最後の夏も終わり、卒業する日を迎える事に。
あれから時が経ち、進学先もバラバラで、今後は会うこともなくなっていくだろうとなった時、最後に言ってしまおうと決意する和己。
「慎吾、ゴメンな。最初に謝っとく。オレ、お前の事好きだったんだ」と、告白する和己。
固まる慎吾。嗚呼、やっぱり重過ぎたのか…?、と後悔し始める和己。
顔を俯かせて、「マジで…?」と言う慎吾に、「スマン、忘れてくれ!本当に…」と慌てて言う和己。
無言のままゆっくり慎吾が近付いてきて、和己の制服の裾を掴み「イヤ、だ。だ、って、両思い、じゃん…」と慎吾は泣きそうな声で言う。

そんな話を妄想してみました。
てゆーか結局、和島だったりしました。 10/29