8:25 学校
「おはよ〜島崎。どしたの?目の下のクマ凄いよ?」
「2日間で3時間しか寝てねぇ…」
「マジで?大丈夫?」
「大丈夫じゃない。保健室で寝てくるから、先生に言っといてくんね?すっごい具合悪そうにしてましたって」
「わかった〜」
「(その前に諸悪の根源に言っとかねーと)和己」
「…ん?」
「昼休みに話あっから」
「分かった」

12:41
「和己、屋上でメシ食おうぜ」
「あぁ」

「結局午前中ずっと寝てたのか?」
「おお。何とかこれで午後の部活は乗り切れそーだ」
「そうか。朝練じゃスゲーバテてたもんな。あ、後でノート貸してやるよ」
「サンキュ。…じゃなくて!」
「ん?」
「お前昨日言った事覚えてるよな?」
「あぁ、お前がオレの事好きってヤツか」
「(うっ…そんな事も無げに堂々と言われると)…そうだよ」
「いやビックリしたよなぁ。灯台下暗し?いやちょっと違うな」
「お前ホントにビックリしてんのか?それならそれらしいリアクション取れよ。もっとこう…あるだろ!何か色々と!」
「そんな事言われてもなぁ。正直慌てたところでどうにかなるわけでもねぇし」
「お前どこまで落ち着いてんだよ。ホントに高校生かよ。実は50代ぐらいじゃねぇのか?」
「失礼な事言うな」
「あっ…と、そうじゃねぇ。えぇっと…お前が何も、何の反応も返さねぇから、オレはどうして良いかわかんねーんだよ」
「そうだなぁ…。じゃあ確認するけど、マジなんだよな?」
「(今更誤魔化す気にもなんねぇし)おお。残念な事に」
「うーーん。正直、これまで男に好きって言われた事ねぇからオレもどうして良いかわからねんだよなぁ」
「つかさ、基本的な事聞くけど、滅茶苦茶ひいたとか、キショイとか、そーいうのは無いわけ?」
「あー、取り合えず無いみたいだな。良かったなぁ、お互いの今後の為にも」
「そうだな…。(コイツとの関係もこれまで通りいけそうだって事だけで、滅茶苦茶救われたよなぁ…)そういう意味ではお前の落ち着きぶりに感謝だな。反面、オレがすんげぇ悩んでたのがバカみたいな気もして微妙だけど。あ、そういや何で分かったんだよ。…お前だって。そこんトコが気になって気になって」
「だってお前、寝てるオレにキスしただろ」
「ば…っ(バレてた…!!)お、お前起きてたの?!」
「つかキスで目が覚めた。けど、取り合えず寝たふりしといた」
「うあぁぁぁああ…!!」
「いや〜お前がオレの事好きだと仮定したら、色んなことに納得がいってな。浴衣で花火に誘ったりとか?」
「言うな…!」
「変に黙ったり、寝不足になったり」
「うぅぅ…」
「しかもオレが帰るっつったら、ビミョ〜〜に寂しそうな顔しただろ」
「!!」
「普段全然可愛くないっつーか読めねぇっつーか人を食ったよーな冷めたよーな顔してるくせに、昨日のお前は面白かったよな〜」
「(くっそ…っ)」
「今日も大分、面白いけどな。いやいや可愛いな慎吾」
「頭撫でんな…!」

9:11
「お疲れ〜」
「お疲れッス」
「お疲れっした〜」

「慎吾さん、何か2年の女子が呼んでるんスけど」
「誰?」
「さぁ…呼んできてくれって言われて」
「(こんな時間まで残ってるって、運動部か?)どこ?」
「グランドの出口ッス」
「了解〜」

「あ、の、いきなり呼び出してスミマセン…ッ」
「(運動部って感じじゃなさそーだな。まさか練習終わりまで待ってたのか?)」
「あたし、2年の宮下って言います。島崎先輩の事、練習とかで見てて、すごいカッコイイなって…。それで、あの、いきなりこんな事言われて困ると思うんですけど、好き、です。あの、友達からでも良いので…ダメ、ですか?」
「(う〜〜ん。結構可愛いけど、一途っつーか思いつめそーなタイプだよなぁ。悪いけどお断りの方向で)えっと…宮下さん、だっけ」
「あ、はい」
「あの、ごめんね。オレ今…(えっと理由考えてなかった。野球が忙しいから、とかって最近まで彼女いたくせにウソくせーよなぁ。じゃあやっぱ)好きなヤツ、いてさ」
「…そう、ですか…。あの、メルアドだけでも、ダメですか?ホントに友達だけで良いので…」
「(粘ってきたな)あ…っと、ゴメン。そういうのは、ちょっと無理かな」
「……わかり、ました」
「(あぁ〜、泣きそう)」
「あの、一つだけ聞いて良いですか?」
「何?」
「好きな人ってどんな人ですか」
「…」
「…」
「(オレの好きな人はね〜、身長がオレより高くて、なんつーかゴツいというかどっしりしてて、何事にも動じない落ち着きを持ち合わせた、っていうか時々オッサンなんじゃねーかと思わされるような言動とか飛び出す…つかぶっちゃけウチの部の主将なんだけどね。って笑えねぇ…!何で本気で好きになったのがアレなのか時々自分でも不思議に思)」
「…? あの、」
「あ、えっと、大らかな人かな…(具体的要素まるで無ぇな)」
「そう、ですか…。えっと、急にすみませんでした。聞いてくれて有難う御座いました」
「こっちこそ、ゴメンね」
「いえ…。失礼します」

「慎吾」
「うわビックリしたぁ!いたのかよお前」
「通るに通れなくてな」
「あぁ…悪かったな」
「告白されたんだろ?」
「ん、まぁ」
「結構可愛い子だったな」
「まー、そうかもな」
「…」
「何、気になんの?断ったけど」
「ふぅん」
「お前に言われたもんなぁ。本命いるなら、その子だけにしとけ、とか?(まさかそん時は自分とは思ってなかっただろうからな)」
「…」
「さっさと告白しろとかも言われたなぁ」
「…」
「じゃー、告白でもするか」
「え」
「河合先輩!」
「なんだそれ。つか裏声やめろ。キモイ」
「先輩の練習する姿とか観てて、カッコイイなって…」
「おーい、慎吾」
「先輩のオッサンじみた所も、ゴツい所も、オレに対しては結構理不尽な性格も、全部ひっくるめて好きですっ!付き合ってください!」
「うん、いいよ」

「…マジで?」
「マジで」
「…あのさぁ和己。お前昼間はよくわかんねぇとか行ってたじゃねーかよ(なのに何、そのアッサリとした返事)」
「そーだな。でもお前、何か所々可愛いよ。何か有りかもしれない、とか思って」
「…」
「おぉ赤くなった」
「うるせぇ。言っとくけど、オレはお前が思ってる以上にお前が好きだからな。後から無理とか思っても知らねーからな」
「そうだなぁ。お前が色々おかしくなるぐらいには本気だってのは知ってるけど」
「…じゃ、じゃあ、取り合えず」
「ん?」



「ぶっ 何だソレお前(可愛いっての)」


END
3日目終了。
元々1Pのみで終了する予定だったので、続きを描き始めたは良かったんですが、結末に困りました。
和←島 から 和島に持っていくのが大変ですよ。だって和サンがノーマルじゃないですか。
正直無理あるまとめに入った気がしてアレですよ。
3日間てのも短いですしね。でも何日もってなると飽きられそうですし何とか終わらせました。
それにしても慎吾がニセモノ臭いです。