「なぁ、お前はどうなんだよ。好きな子とかいねぇの?」
「好きな子なぁ…可愛いと思う子はいるけどな。でも今はそれどころじゃないし、別に付き合うとかそういうのは、いいな」
「ホントか〜?」
「練習練習で、殆ど時間作れないからなぁ。そこへ来るとお前は凄いよ。ちゃんと付き合ってきてんだから。短期間とはいえ。…あ、スポーツニュース入る」
「オレ風呂入ってくるわ。お前風呂どうする?」
「オレはいい。家出る前入ってきたし、汗かいてねぇから」

9:55


「(お、上がってたのか…。てか、何か…何かコイツ…雰囲気あんな。何かボーっとして、例の本命の事でも考えてんのか?…いやそれより)オイ慎吾!そんなカッコで風邪ひくぞ!髪の毛拭けよ。滴たれてんだろーが」
「…あぁ…てかお前、準太以外の世話も焼くんだな」



「あ?」
「や、別に」
「(何かやっぱ変だよな、コイツ)」

10:34
「さてと、そろそろ寝よーぜ」
「は?お前今何時だと思ってんの?!」
「10時半」
「明日休みだぜ?何でそんな規則正しいんだよ」
「悪いかよ」
「いや悪かねぇけどさ。らしいけどさ」
「とにかくオレは寝る。電気消すからお前もさっさと寝ろ」
「おいおい、ココ、オレん家なんだけど。何仕切ってんの。ってか勝手にベッドに陣取るなよ!」
「何でだよ。お前のベッド広いから大丈夫だろ。セミダブルか?」
「(そうだよ。セミダブルだよ。女の子と2人で丁度良い様にデカめの買ってもらったんだよ。…じゃなくて!)」
「ホレ、来いよ慎吾」
「(来いよ慎吾、ってセリフだけ聞いたら何かアレだよな…ってか)一緒に寝るのかよ?!」
「合宿ン時よりは寧ろ広いと思うぞ。あん時は狭かったよな〜。朝起きたらマサヤンの足の裏が目の前にあってビビった。どうゆう寝相してんだろな」
「つか、オレは床で…」
「何で?」
「(そんな普通に不思議そうに聞かれると言い訳できないんですけど!)いや、分かった。寝るよそこで」
「男二人で物悲しいけどな」
「(お前が言ったんだろ!訳わかんねぇよ!)」

11:27
「(つか、寝らんねぇ。寝れるわけがねぇ。全く落ち着かねぇし。とにかく和己の気配とか体温とか匂いとか、何かもう近すぎる!ありえねぇ。そして和己は熟睡だよ。人の気も知らねぇで。こういう時はどうすりゃ良いんだ?羊を数えるのか?いやそれ以前に気分を落ち着かせねぇと。気分を落ち着かせるには、そうだ、素数だ。素数を数えろってプッチ神父が言ってた(byジョジョ)。えぇっと、2、3、 5、7、11、13、17…)」
「…う…ん…」
「(うおビックリした!…ってか、寝返りでこっち向いちゃってんですけど!うおい!息が首に…っ!…いやまてよ。これってチャンスじゃねーの?今の関係を崩さない事考えたらどうせ告白なんてできっこねぇし、まして両想いとかありえねぇんだし。…キスぐらい、良いよな?)」

(和己…)


1日目終了。